強迫性障害とは?強迫神経症・強迫性障害の症状とは?
外出した際に、「家の戸締りはしていたかな?」などと気になることは誰にでもあることですが、自分の持っている不安や特定のものや数字などへのこだわりが、度を過ぎていると感じたことはありませんか?
そもそも、不安やこだわりは誰もが持っていると言えますが、それらが過度になってしまい、生活に支障が出てしまう強迫性障害(強迫神経症)という病気があるのです。
しかし、こういった症状を抱えていても、病気だということに気付かない人は多いと言われているのです。ですが、日常生活に影響が出てしまうため治療を行う必要があります。
そこで、この強迫性障害を解消するためにも、まずはこの病気を知っておくことが必要です。もし、ご自身で気になる点があれば、当てはまる症状があるかチェックしてみると良いでしょう。
強迫性障害とは?
誰でも不安やこだわりは持っているもので、忘れ物が無いかというチェックをしたり、占いの結果やラッキーナンバーなどにこだわったりしていることでしょう。しかし、この不安やこだわりが過度になっているのであれば強迫性障害(強迫神経症)という病気の疑いがあります。
強迫性障害とは、自分ではそれ程気にすることが無いと分かっていたり、つまらないと思っていたりすることでも、その考えやイメージが繰り返し頭に浮かんで離れなくなってしまい、それを振り払うために同じ行動を繰り返してしまう精神疾患のことです。
この病気では、手の汚れが気になってしまい何度も手を洗ってしまうことや戸締りを何度も確認せずにはいられないといった日常的に症状が見られ、過度に「しなければならない」「考えずにいられない」という考えに陥り、辛い思いをしてしまうようになります。
同じ行動を繰り返すことによって日常生活にも影響が出てしまい、仕事や家事などでは支障をきたしてしまうのです。WHO(世界保健機関)では、生活上の機能障害を引き起こしてしまう10大疾患の1つとして報告されています。
また、この強迫性障害は自分の性格の問題だと考えて、病気だと気づかない患者さんが多いと言われているため、現在でも患者さんがどれほどいるのかという正確な数値は分かっていません。ただ、この強迫性障害は日本でも50~100人に1人の割合だと推測されており、それほど少ない割合ではないということが捉えられます。
ちなみに、この病気の発症年齢の平均は20歳前後と言われており、若い世代に比較的見られやすいものです。10歳前後に発症のピークがいられており、さらに患者さん全体の過半数の人が18歳以下に発症していると言われています。
強迫神経症・強迫性障害の症状とは?
この強迫神経症・強迫性障害には、主に強迫観念と強迫行為という2つの症状が挙げられます。また、それらの症状が引き起こす代表的な観念や行為を挙げていきます。
下記に当てはまるような日常生活に支障が出ているのであれば、心労してしまうことにもなりますので、改善を取り入れていく必要があります。
強迫観念(きょうはくかんねん)
自分の意思とは無関係に頭に浮かぶ不快感や不安感を生じさせる考えのことです。これが強く、長期的に続いてしまうため苦痛を感じてしまうことがあります。また、不快感や不安感の他にも単語や数字などが執拗に頭に浮かんでしまうこともあります。
強迫行為(きょうはくこうい)
強迫観念によって浮かんだ不快感や不安感を打ち消すための行為のことです。これは自分でも「やりすぎ」「無意味」と分かっていてもそれを止めるとさらに不快感や不安感が伴うため止めることができません。
代表的な強迫観念・強迫行為
汚れが気になり過剰に洗浄を繰り返す、ドアノブなどでも不潔だと感じて触れない、人に危害を与えていたかもしれないという不安感から周りに確認をする、戸締りやスイッチを過剰に確認する、決めた手順で物事を行わないと不安になり同じ手順で家事や仕事をしなくてはならないと思う、数字に過度にこだわる、物の配置がずれていると不安になる
強迫性障害・強迫神経症について
これまで自覚をしていなかったという人でも、上記の症状に当てはまるものが多ければ、強迫性障害を抱えているのかもしれません。
しかし、もしこの強迫性障害を抱えていることが分かったからといって、さらに不安を抱えることはありません。気付くことができたのであれば、改善していくこともできるので、これまでのような生活やつらい症状から抜け出すことができるようになります。
もし、これまで感じていた不快感や不安感が強迫性障害(強迫神経症)によるものだということに気付いたのであれば、一刻も早く抜け出すためにも改善していきましょう。