強迫性障害の原因とは?強迫観念の原因・強迫行為の原因とは
「戸締りの確認をせずにはいられない」「手を洗うのが止められない」といった強迫性障害の症状を抱えていると、常に心の負担は耐えずどんどん苦しい状況に陥ってしまい、生活に支障をきたしてしまうことになります。
常に得体の知れない恐怖が頭をよぎってしまう、自分の行う行為にも不安を抱えている方は、強迫性障害ということに気付かなければ自分の性格の1つだと捉えてしまいがちなのですが、それは疾患によるものですので解消することで安心を取り戻すことができます。
そこで、様々な症状が見られる強迫性障害ですが、この原因と強迫観念と強迫行為のそれぞれの原因はどのようなものなのでしょうか。
強迫性障害の原因とは?
強迫性障害に悩んでいる方は、その原因が「よくわからない」と自覚しているため改善できないものだと思い込んでいるかもしれません。
また、過去の失敗した経験や強いストレスなどが強迫性障害を引き起こしているものだと考えていることもあるでしょう。
しかし、強迫性障害の原因はこれまで様々な考え方によって心理的や社会的な要因が関係して引き起こされると考えられていましたが、実は、現在では脳の機能障害だということが明らかになってきました。
強迫性障害に対する治療には、主に薬物療法が用いられていましたが、その効果が解明されてから「セロトニン」という神経伝達物質が強迫性障害と関わりが深いと分かりました。また、脳のいくつかの部位から機能的な異常があることも原因として考えられています。
つまり、強迫性障害の原因には脳の部位を結んでいる神経の繋がりに問題があるものだと推定されています。
これに加えて自分が持っている「完璧主義」などといったものの考え方やものごとの捉え方の癖、人間関係や生活上での大きなストレスが合わさることで強迫性障害が発症することがあるのです。
強迫観念の原因・強迫行為の原因とは
強迫性障害の症状として引き起こされる強迫観念と強迫行為の原因は、どちらも自己不全感が関係しています。
強迫的に抱えてしまう思想や観念、行為には、それを完全にこなすことに対しての自己不信という形になることによって、恐怖や不安を防衛するものでもあります。これは自分の中での「完全主義」を維持することに繋がっていることで生み出されます。
強迫性障害を抱えている人は、人生で起こり得るどんな不確実なものや予測のできないもの、曖昧になることの恐怖を抱えているもので、そういった恐怖を防衛するために強迫観念や強迫行為により、確実で予測ができて安心な生活を築くことを目指しているものだと考えられます。
例えば、「何度もガスの元栓が締まっているかのチェックをする」という行為を行うことで、未然に火災を防げる事実に繋がっており、「あの時火災にならなかったのはチェックしていたから」という防衛になります。
強迫観念と強迫行為の防衛について
強迫観念や強迫行為をすることによって何かしらの恐怖や危機に備えて防衛をしていると、今度はどんなものにでも恐怖や危機に備えた想定をして防衛をするようになります。すると、今度はどんどん増加してくる「○○しなくてはならない」「○○という行為をしてはいけない」という、内的な不確実観に対しても防衛をするようになってしまいます。
つまり、自己防衛が極端に強くなってくると、生活や仕事に支障が出てしまうため、それを抑えるための防衛に対し、強迫観念や強迫行為で防衛をするようになるということです。
この強迫行為の行動パターンを分析してみると、自分の持つ不確実感を克服するためのものだと捉えることが捉えることができます。これらが強迫性障害の強迫観念、強迫行為の原因に繋がっているのです。