強迫性障害と心配性は何が違う?強迫性障害だと判断する基準は?
強迫性障害は、強い不安感に襲われて同じ行為を何度も繰り返してしまったり、気になる事や心配事が頭から離れなくなるといった精神疾患です。
ただ、誰でも多かれ少なかれ不安になったり、心配になったりすることはありますよね。
いわゆる心配性と呼ばれる人はどこにでもいますが、心配性と強迫性障害との境目はあるのでしょうか。
そこで、強迫性障害と心配性は何が違うのか、強迫性障害だと判断する基準は何なのかについてまとめました。
強迫性障害と心配性は何が違う?
強迫性障害は行き過ぎた心配性だと言われることもありますが、単なる心配性と強迫性障害は全く異なるものとなります。
例えば、家の鍵をきちんと閉めたか不安になった場合、心配性の方は一度家に戻って確認することはよくあるでしょう。
ただ、強迫性障害の方は、一度戻って施錠されていることを確認したにも関わらず、また不安になり、再度確認しに戻るのです。
つまり、不安なことや心配事があると、何度も繰り返し確認してしまう、いつまでたっても不安感がなくならないのが強迫性障害となり、きちんと確認すれば不安が取り除かれる心配性との大きな違いだと言えます。
強迫性障害だと判断する基準は?
心配性ではなく、強迫性障害だと判断する基準はいくつかあります。まず、同じ行為を何度も繰り返すようなら強迫性障害の可能性が高いと言えます。
また、何度確認しても不安が無くならない、確認をするために予定を変更したといったことがあれば、心配性のレベルを超えていると言えるでしょう。
確認行為を10回以上繰り返す
玄関のカギを確認しに何度も家に戻る、書類のミスを何度も繰り返し確認するといった行為は強迫性障害の患者さんによく見られます。
強迫性障害でなくても、もちろん確認はしますが、大抵は1回確認して終わりですよね。心配性の方でも多くて2回~3回程度となりますので、10回以上確認行為を繰り返すとなると、強迫性障害の可能性が高いです。
いつまでたっても不安が無くならない
例えば何度手を洗っても綺麗になった気がしないということはないでしょうか。手がボロボロになっても手洗いを続ける洗浄強迫は強迫性障害で見られる症状の一種です。
どんなに手を洗っても汚れている気がするなど、いつまでたっても強い不安感がなくならない場合は、強迫性障害を疑った方が良いでしょう。
確認をするために予定を変更した
家の鍵を閉め忘れていないか、コンロやストーブの火がつけっぱなしになっているのではないかと考えることは誰でもあります。
ただ、大抵の方は一時的に心配をしても、いつのまにか忘れていることも多いですよね。しかし、強迫性障害の方は、強い不安に襲われ、確認をするために仕事を抜け出したり、旅行先から自宅に戻ったりすることもあるのです。
日常生活に支障をきたすなら心配性ではなく強迫性障害
強迫性障害と心配性は、混同されやすいものとなりますが、日常生活に支障をきたすようなレベルであれば心配性ではなく強迫性障害です。
毎日の生活のほとんどの時間を確認作業などに費やすとなると、仕事はもちろん、普段の生活にも支障が出ます。
そのため、もし繰り返し確認したために仕事に遅刻してしまう、書類のチェックに時間が掛かって仕事が終わらないといった状態が何度も起こっているようであれば、強迫性障害だと考えた方が良いでしょう。
日常生活に支障が出ているかどうかが、強迫性障害か心配性かを判断する一番大きな基準と言えます。