不妊治療とは?不妊治療の方法や流れは?治療にかかる期間は?
不妊治療とは、妊娠を希望する夫婦やカップルが不妊症と診断された場合に、妊娠をするために行う治療です。
現在は晩婚化の影響で、女性が妊娠や出産をする年齢が昔に比べて高くなっていますが、女性の場合、妊娠しやすい年齢、妊娠できる年齢が限られています。
そのため、なかなか妊娠をすることができず、不妊治療に取り組むケースも多くなっているのです。
そこで、不妊治療について、また不妊治療の方法や流れ、治療にかかる期間についてまとめました。
不妊治療とは?
一般的に、妊娠を望み、避妊をせずに1年~2年以上夫婦生活を送っていても妊娠しない場合に不妊症と定義されます。
不妊治療は不妊症を改善し、子供を授かるために行う治療です。
不妊治療を始めるタイミングは人それぞれとなりますので、一概には言えませんが、女性は年齢と共に妊娠できる力、妊孕力が低下していきます。
また、35歳を過ぎると女性は高齢出産になりますので、年齢が高い場合は出来るだけ早く不妊治療に取り組む方が良いでしょう。
不妊治療の方法や流れは?
不妊治療は、ステップアップ治療と呼ばれ、段階的に治療方法を変えていくのが一般的です。
不妊治療の流れとしては、まず始めに不妊の原因を調べるための基礎検査を行います。もし検査で排卵傷害などの何かしらの異常が見つかった場合は、不妊の原因となっている疾患の治療を行います。
特に基礎検査では何も異常が見られなかった場合は、まず排卵日付近に性交のタイミングを合せるタイミング法を行います。
タイミング法で成果がなければ、人工授精、体外受精、顕微授精というように、治療法を変えていくのが不妊治療の流れです。
タイミング法
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女性は排卵日の2日~4日程前から排卵日までが最も妊娠しやすい時期とされていますので、タイミングを合わせて性交をするのがタイミング法です。
排卵日を予測する方法としては、排卵予定日の数日前に超音波検査で卵胞や子宮内膜の大きさや厚さを測定し、排卵日を予測します。また、尿検査で排卵ホルモンを確認しより正確な排卵日を予測する方法もあります。
人工授精
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人工授精は、採取した精子を子宮内に直接注入する方法です。注入する精子は、採取したものの中から動きの良い精子を選びます。
また、精子を注入するタイミングとしては、女性が妊娠しやすい排卵日付近になりますが、自然な排卵日のタイミングを待つ場合もあれば、排卵誘発薬を使用して排卵を促す場合もあります。
体外受精
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体外受精は、卵子と精子を体から取出し、培養液の中で受精させ、受精卵を子宮に戻すという方法です。体外受精は、精子と卵子に問題がなければ、確実に受精をさせることができますので、妊娠出来る確率は大幅にアップします。
顕微授精
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顕微授精も体外受精と同じく、取り出した精子と卵子を受精させ、子宮に戻す方法ですが、受精のさせ方が体外受精とは異なります。
顕微授精では、正常で動きの良い精子を1つ厳選し、針を使って卵子に注入することで受精させます。
不妊治療にかかる期間は?
不妊治療にかかる期間は個人差がありますので一概には言えませんが、1つの治療に取り組む期間にはおおよその目安が設けられています。
不妊治療は、段階的に治療法を変えてステップアップしていく流れとなりますので、ある程度の期間治療を行って妊娠が認めら得なければ次の段階に進みます。
どのタイミングで次の治療へステップアップするかは、病院などによっても基準が異なりますが、タイミング法ではおおよそ6回、期間としては3ヶ月程度が目安となります。
タイミング法の次の段階となる人工授精の治療期間は5~6周期、おおよそ半年程度です。
人工授精で成果が見られなければ、体外受精や顕微授精に移行するようになりますが、最終的な治療をいつまで続けるかは、夫婦の問題となります。
子供がいない夫婦の約3割が不妊治療を受けている
晩婚化に伴い不妊に悩む人が増加する影響で、不妊治療の需要は年々高くなっています。
国立社会保障・人口問題研究所が実施した2015年の出生動向基本調査によると、子供がいない夫婦では、全体の半数以上が不妊を心配したことがあるという結果になりました。
また、実際に不妊の検査や治療を受けた経験がある方の割合は、子供がいない夫婦の場合は3割近くにも及んでいます。
また、子供の有無に関係なく、日本全体の6組に1組の夫婦は、不妊治療を受けたことがある、あるいは現在受けているという結果になっており、不妊や不妊治療は一昔前に比べてより身近なものになっていると言えるでしょう。