子供の強迫性障害の原因とは?小児強迫観念・子供強迫行為の原因
お子さんが強迫性障害でお悩みの親御さんは、どのような対応をすれば良いのか、またはどうして強迫性障害になってしまったのかと不安を抱えていることでしょう。
強迫性障害の症状は大人でもつらいと感じられるものですので、子供にとってはさらに大きな恐怖や不安が感じられているのかもしれません。
そこで、強迫性障害が引き起こされる原因はどんなものが関係しているのでしょうか。
子供の強迫性障害の原因とは?
自分の子供が強迫性障害になってしまったという親御さんにとっては、「育て方が間違っていたのでは?」「自分が強迫性障害であることが遺伝したのでは?」などと責任を感じて自分を責めてしまうかもしれません。
しかし、強迫性障害の原因は異なりますので、誰かを責める必要はありません。
子供の場合、強迫性障害は大人よりも発症しやすいものですので、親御さんはお子さんが抱えている不安や何かしら行動に驚いてしまうかもしれません。
子供の強迫性障害とは?小児の強迫神経症・強迫性障害の症状とは
現在では、強迫性障害の原因には様々なものがあり、主に脳の働きに障害があることだと分かってきました。もちろん大人の強迫性障害も同じような原因です。
そのため、もし親御さんやご家族の方で強迫性障害の人がいるからといっても、誰かのせいではないので安心してください。
つまり、お母さんが強迫性障害だった場合、もし生まれた子供が強迫性障害だとしても、これはお母さんからの遺伝ではないということです。
さらに、お父さんが厳しいしつけをする家庭であっても、お子さんは完璧主義を目指すようにはなりますが、これが直接強迫性障害になるわけではないのです、
もちろん、強迫性障害になってしまうことは、お子さんの努力不足や独自に身に付いた癖から生まれるものなどではありません。悪いのはこの強迫性障害そのものですので、決してお子さんが努力をしていないから発症した、というわけではないのです。
小児強迫観念・子供強迫行為の原因
小児強迫観念・子供強迫障害の原因には、いくつかのものに分類することができます。
大きな出来事を経験していたこと
小児や子供のうちになにかしら衝撃を受けることが、強迫性障害を発症させてしまう引き金になってしまうことがあります。
その出来事とは、進学や進級、引っ越しなどで環境が大きく変わること、いじめにあったことやケンカをしたこと、事故や事件、病気などの恐ろしい経験をしたことなどです。
例えば、家が火事になったことを経験した子供の場合、自分が遊んでいた花火の火が家に燃え移ってしまったから自分の責任だ、と強いショックを受けてしまい、それから火の始末を念入りにするようになる強迫観念や強迫行為をするようになってしまうのです。
生活環境は悪化に繋がりやすい
上記では、遺伝や育て方は強迫性障害の原因ではないとご説明しましたが、お子さんは産まれた時から家族の中で過ごしていくものですので、親の生活スタイル、性格や言動などは直接影響していくものです。
子供が成長するにはそれらが欠かせないのですが、時にはそれが強迫性障害を抱える子供に影響し、強迫観念や強迫行為の症状を悪化させることもあります。
例えば、しつけの厳しい父親がいる家族での生活の場合です。遊んだものや洋服などが片付けられないことできつく叱られるような環境であれば、子供はそれにおびえてしまい、常に常に緊張したまま過ごすようになります。
すると、子供は自我が育ちにくくなるうえ、常に父親に認めてもらえるようにしなければならないと思い、次第に必要以上に完璧を目指すようになることで、既に持っている強迫性障害が悪化し、「○○をする順序を守らなければならない」という強迫観念や強迫行為を取るようになってしまうのです。
強迫性障害になるきっかけは様々ありますが、なかには本人でもよく分からないまま症状が表れてしまっているケースもあります。その場合には、自分の症状すらよく分からないまま過ごしてしまうため、徐々に悪化させてしまうことがあります。
ただ、お子さんがこういった状況に陥っても、誰かが悪いと攻めるのではなく、しっかりと強迫性障害と向き合って治療を進めていくことが必要です。